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ニューズレター
  • TSCAインベントリー・リセットルールに対する実務的対応
    09/21/2017

    要点

    • 米国の有害物質規正法(Toxic Substances Control Act。以下“TSCA”) は、健康や環境に対する不合理なリスクを防止すること目的としており、米国における化学物質の製造・加工や米国への化学物質の輸入を規制しています。TSCAは、事業者が化学物質を商業目的によって米国で製造又は米国に輸入するための条件として、原則として、その化学物質が、米国環境保護庁(The U.S Environmental Protection Agency。以下“EPA”)が管理するリスト(以下「インベントリー」)に収録されていることを要求しています。仮にその化学物質がインベントリーに収録されていない場合は、詳細な試験結果の報告を通じて、その化学物質がインベントリーに追加されることが必要となります。
    • 2016年6月22日、化学物質に関するEPAの規制権限の強化等を目的として、TSCA改正法が成立しました。改正法の下、EPAは、インベントリーに収録されている化学物質に優先順位を付け、その優先度に従ったリスク評価を行い、不合理なリスクがあると判断された物質については、リスク低減のための規制を行うこととされています。このリスク評価のための優先順位付けの手法として、EPAはインベントリー・リセットルール(以下「リセットルール」)を策定しました。
    • リセットルールは、TSCAインベントリーに収録された各化学物質が米国市場において“active”であるか“inactive”であるか(活用されているか休眠状態であるか)を分類するための手続を定めています。同ルールの下、インベントリー収録の化学物質について、製造業者・輸入業者が2006年6月21日から2016年6月21日までの間に商業目的で米国内で製造又は米国に輸入した場合は、一定のエグゼンプションの適用がない限り、その化学物質の情報をEPAに報告する義務を負います。また、同ルールは、このような過去の製造・輸入に関する報告(以下「過去の取扱いに関する報告」)がなされなかった結果として“inactive”とみなされた化学物質については、その後に、商業目的によって米国で製造・加工又は米国に輸入しようとする事業者に対して、将来に向けた通知をする義務を課しています。
    • 同ルールに基づき、化学物質の製造業者・輸入業者は、過去10年間に行った化学物質を含む製品の製造・輸入に対するオペレーションを評価しなければなりません。特に、製品の輸入業者が、製造業者が企業秘密としていることによりその製品がどのような物質から構成されているかを知らない場合でも、EPAが必要とする情報を確実に収集できるような措置を取らなければならない点には注意が必要です。また、米国で化学物質に関する業務に従事している事業者は、過去10年間に取り扱った化学物質のうち、将来、製造・加工・輸入を行う予定がある化学物質については、インベントリー上“inactive”と見なされ、いざこれらの業務を行う場合に将来に向けた通知が要求されてしまうことがないよう、過去の取扱いに関する報告に向けた取組みを優先的に行う必要があります。

  • ハリケーン「ハービー」:保険への影響
    09/14/2017

    ハリケーン「ハービー」に伴う記録的豪雨の被害が次第に明らかになる中、損害に対する保険金の受給を最大限にするため、被害を受けた企業・団体等は以下のような迅速かつ継続的な手段を講じる必要があります。

    • 損害保険が唯一の損害補償の手段とは限らない。どの保険契約が実際の損害に対応するのか特定し、契約上の手続期限を確認。
    • 第三者の業者への損害や当局の指示に従った結果として生じたビジネスの中断による損害等に対し、想定しうるあらゆる補償の可能性を検討。
    • 専門家による対策チームを結成し、損害補償を最大化。

  • アメリカでの不動産投資に影響を与える最近の動向
    8/21/2017

    不動産に対する外国投資を審査する対米外国投資委員会の審査手続における国家安全保障面の懸念について、会計検査院に査定を求める要請が数名の上院議員により提出されました。

    • 会計検査院の査定結果によっては、規制が加重されることで審査手続が複雑化する可能性も考えられます。

  • 最近の身代金ウイルスなどのサイバー攻撃、サイバー保険の重要性を再認識させる契機に
    06/26/2017

    要点

    • 身代金ウイルスによる大規模なサイバー攻撃は、しっかりしたサイバー保険の重要性を明確にしました。
    • サイバー保険の補償範囲にサイバー恐喝を含めることは、今日のビジネス社会におけるリスクマネジメントのベストプラクティスとして広まりつつあります。
    • 加入しているサイバープライバシー保険の内容を確認し、見直すことが今求められています。

  • NY市、フリーランス・ワーカーとの間の契約書の作成を求め、就職希望者への従前の給与に関する質問を禁止
    06/15/2017

    今般制定されたFreelance Isn’t Free Act(「フリーランス保護法」又は”FIFA”)により、NY市でのフリーランス・ワーカーに対する保護が強化されました。さらに、今後、NY市の雇用者が過去の給与について質問することは問題となり得ます。

    I.   フリーランス・ワーカーを独立請負人として使う発注者は、ほとんどの場合、書面契約を締結した上で、その内容に従うことが法的に求められます。

    II.   2017年10月31日以降、NY市の雇用者は、応募者の給与履歴を尋ね、これに依拠し、あるいは確認することが禁じられます。

  • 新たな米国連邦法、商品等の悪評コメントに対する検閲・修正を禁止
    05/11/2017

    要点

    • 連邦法上、消費者の会社や商品・サービスに関するコメントの掲載を制限したり妨げたりすること、またはこれに罰則を適用することは禁止されることになりました。
    • 同新法により、会社が、コメントを掲載する個人に対し、そのコメントに含まれる知的財産の譲渡を要求することも違法とされることになりました。
    • ユーザー・コメントに関する契約条項を定型契約や、諸規程、その他に含めている会社は、それらの条項が新法に違反するものでないかにつき、速やかに検討する必要があります。

  • 司法省、腐敗防止・コンプライアンスプログラム評価に高いハードルを設定
    3/21/2017

    • 司法省は新たなガイダンスを出すことによって、検察官が有効なコンプライアンス推進計画と精緻な対応を求めていることを示しました。
    • リスク分析、情報・データ分析、第三者外注業者に対する主体的な監督など、司法省はより最新のベスト・プラクティスに注目しています。
    • 企業コンプライアンスへの投資は、将来、犯罪的な意図・故意による懈怠の疑義をかけられた際に、これに対する保険となります。

  • 「アメリカ製品を購入し、アメリカ人を雇用せよ」――レトリックから規制へ
    03/08/2017

    「私達は二つのシンプルなルールに従う。『アメリカ製品を購入し、アメリカ人を雇用せよ。』」世界各国の指導者達は、大統領就任演説におけるトランプ大統領のこの発言が国際取引にとってどのような意味を持つのかについて考えあぐねていますが、これとは別に、「バイ・アメリカン法や類似の保護貿易主義的規則に関して、どのようなことが生じつつあるのだろうか。」という疑問が、米国連邦政府への製品・サービス納入業者(以下、コントラクター)の前に迫っています。

  • 連邦第9巡回控訴裁判所、クラス認証のための要件を緩和
    01/25/2017

    2017年1月3日、連邦第9巡回控訴裁判所は、「事務管理上の実行可能性 (administrative feasibility)」をクラス認証のための独立の要件とすることを否定しました。裁判所は、クラス認証の段階において、クラス代理人がクラス構成員を識別するための事務管理上実行可能な方法を示すことは、連邦民亊訴訟規則第23条(「規則第23条」)上求められていないと判示しました。裁判所は、訴状に名前を挙げられていないクラス構成員の識別、及び通知に関する手続負担の軽減を図る必要があると認識しながらも、規則第23条には既に当該目的を達成するための方策が含まれていると述べました。 

  • 時間外手当の適用除外となる労働者の最低賃金水準に関する規則改定および当該規則の予備的差止命令 
    12/13/2016


    2016年5月18日、米国労働省は、公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)に関する最終改正規則を公表しました。本改正規則は、時間外手当の支払規制の適用除外となる管理職、経営職および専門職の労働者(以下「管理職等適用除外者」)ならびに高額所得労働者(以下「高額所得適用除外者」)の最低賃金を引き上げるものです。本改正規則は、2016年12月1日に施行される予定でしたが、11月22日に、テキサス州東部地区連邦地方裁判所において、施行を妨げる旨の予備的差止命令が出されたため、今後の動向を注視する必要があります。

  • ニューヨーク州、多くの課題をもたらすサイバーセキュリティの規則を発表 
    11/07/2016


    広範な調査と検討を経て、ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services、以下「DFS」)は金融機関(銀行、証券、保険会社など)に対するほぼ最終版のサイバーセキュリティ要件(Cybersecurity Requirements for Financial Service Companies)を発表しました。このDFSサイバーセキュリティ規則は適用範囲が非常に広範囲であるため、今後金融機関が運用の安全性を図る上で重大な影響を及ぼすことになるでしょう。

  • 営業秘密漏洩訴訟、連邦裁で審理可能になる
    - 新法により企業秘密に関する管轄、救済方法および法的義務に変更
    06/21/2016


    2016年5月12日まで、米国の営業秘密法は、知的財産法の分野において州の裁判所と州法に大きく委ねられていた唯一の分野でした。しかし、もはやそうではありません。 5月12日、オバマ大統領は2016年営業秘密保護法(Defend Trade Secrets Act of 2016, Pub. L. No. 114-153) に署名しました。新法は、一方的差押えを認める革新的な条項等、営業秘密(トレードシークレット)の不正使用に対する新たな連邦法上の民事救済方法を認め、新法から生じる請求に対し、専属的ではないものの連邦管轄権を認めました。新法の下では、さらに雇用者、請負業者およびコンサルタントには新たな義務が直ちに課せられます。新法には今後訴訟を通じてその実態が明らかになるであろう部分が多く存在しますが、いくつかの部分については既に明確となっており、直ちに注意を払うに値します。

  • デラウェア州、ブロックチェーン利用の株式導入の推進を公表
    ブロックチェーンの基礎:入門編 
    05/24/2016


    2016 年5 月2 日、ニューヨークで開催された第2 回年次コンセンサス会議(Consensus Conference)で、デラウェア州知事のJack Markellは株主としての権利を表章する新たな方法の導入を推進することを公表しました。今後すべてのデラウェア州の会社(Fortune 500企業の大多数を含みます。)は、従前の株券発行や株券不発行という方法に加えて、仮想通貨であるビッドコインと同様の技術を利用して株式を発行できるようになる可能性があります。

  • 「パナマ文書」とペーパー・カンパニーの隠された世界 - 責任リスクの低減
    04/14/2016


    パナマの法律事務所からの1,150万もの文書の流出により、政治家、犯罪者およびセレブリティーが、ペーパー・カンパニーを利用して、海外のタックス・ヘイブンに資産を隠していたことが明らかになるかもしれません。いわゆる「パナマ文書」による情報流出により世界中に激震が走り、これにより少なくとも一国の首相が辞任し、公的地位を有する者(politically exposed persons 以下「PEP」と略す)が隠していたとされる何十億ドルもの資産が明らかになりました。

  • 米国司法省のホワイト・カラー犯罪に関する新指針発表
    - 個人責任に重点的に取り組むよう検察官に指示 
    11/30/2015


    2015年9月9日、サリー・クイリアン・イエーツ司法副長官は、個人に対するホワイト・カラー犯罪の訴追を積極的に行うことを意図する新政策を発表しました。エリック・H・ホルダー前司法長官の下で開始された米国司法省のワーキング・グループが策定した同政策は、個人に対する民事及び刑事訴追を、企業に対する訴追とともに重点的に取り扱い、企業幹部についての証拠を開示させるため、企業に対し新たな圧力を加えることになります。

  • 米国司法省、反トラスト法違反に問われた外国企業幹部の身柄引
    渡しに動き出す
    Legal Wire第22号
    05/16/2014


    2014年4月4日、米国司法省反トラスト局は、反トラスト法違反に基づく米国への外国人の身柄引渡しに初めて成功したことを発表しました。イタリア人であるロマノ・ピスコッティは、 マリンホースの販売における国際的な価格カルテルに関与した疑いがあるとして2010年に起訴されました。 これは多数の関連企業および関係者がすでに有罪を認めているケースです。ピスコッティ氏はドイツに出張中に、米国当局から起訴されていることを根拠に身柄を拘束され、ついに米国に身柄が引き渡されました。本件は、身柄引渡しを求める米国当局の要求が強くなっていること、および外国の企業幹部が自国外に渡航した場合に、米国に身柄が引き渡されるリスクが 特に高まっていることを示しています。